点検表・検査表の電子化について

点検表とは

点検表は、設備や備品に異常・不良などがないか、正常に作動するかなどの検査に必要なチェック項目が記載された表です。点検表の例としては、日常点検表や始業前点検表、定期点検表、消防法で報告が義務付けられている消防設備の点検表などがあげられます。

点検表を作成することで点検箇所の統一化や安全性の維持を図れるほか、さらに定期的な記録で異常傾向を把握することでトラブル・故障の予知保全につながるメリットがあります。

アナログの点検表の問題点

点検表は安全性の維持やトラブル・故障の予知保全につながる一方で、点検表の印刷が必要になるのでコストが発生します。また、回収した点検表を所定の場所に保管したり、パソコンに入力したりなどの作業も必要です。そのほかにも、アナログの点検表だと記入漏れや記入ミスがあってもすぐに気づくことができず、正しいデータを収集できていないこともあります。

それだと点検表の役割であるトラブル・故障の予知保全につながらず、生産性の低下を招いてしまうことも。また、安全性を維持するのも難しくなってしまいます。

製造業における検査記録の課題や悩み

製造業では、製品が増えると検査記録の量も膨大になり、その管理が手間のかかる作業になりがちです。ここでは主な課題を紹介します。

記録ミスや記入漏れ

製造業では多くの検査記録を行うため、記入ミスや漏れが起きやすいです。特に手作業での記録が多いと、作業者がミスに気づかず、管理者が確認に時間を取られてしまうことがあります。その結果、他の業務に時間を使えないという悩みにつながります。

保管と検索の負担

紙の検査記録は、保管に大量のスペースが必要です。さらに、過去の記録を探すのにも時間がかかり、業務効率が悪化することがあります。電子化されていないと、記録を提出する際にも時間がかかってしまいます。

検査品質のばらつきとヒューマンエラー

人の目や手作業に頼る品質検査では、作業者によって精度にばらつきが出ることがあります。さらに、疲労や集中力の低下によってミスが起きやすく、不良品の見落としや検査の抜け漏れがリスクとなります。

点検表を電子化するメリット

電子帳票で点検表を運用・管理することにより、入力漏れやミスがあれば赤色で表示させるといった工夫ができ、入力漏れやミスを軽減させることが可能。入力したデータを時系列で蓄積できるほか、データ分析による経過観察や提案活動も行え、管理効率をアップできるメリットもあり。作業状況や結果がすぐに共有されるので、監督者の確認作業の負担軽減を図ることができます。

また、アナログな点検表だと作業者が実際に点検場所に行って記録を行っているかの証拠がとれませんが、電子化すれば点検場所に貼り付けられたQRコードを読み取らないと点検表を入力できないようにすることが可能。そういった運用体制にすれば、現場で点検を実施した証拠を残すことができます。そのほかにも、アナログの点検表の記録・保管にかかっていたコストや手間を削減できるのも電子化のメリットです。

点検表を電子化すると可能になること

検索機能

「設備名」「点検時期」などのキーワードを検索するだけで、過去の点検結果がその場ですぐに確認可能。紙の点検表と比べて、情報をスピーディーに得られるようになります。

集計を自動化

毎日の点検結果は、電子データとして蓄積されていくよう設定。集計用の電子帳票を用意しておけば、週報や月報などの集計作業も、設定した条件通りに自動化できます。

数値の見える化

集計した数値の確認作業も重要ですが、数字だけでは上昇傾向や下降傾向を見極めるのが難しい場合はあります。その場合、点検表の電子化が役立つでしょう。月間の結果などをグラフで表示できるようになり、傾向を把握しやすくなります。

点検表を電子化した事例

作業時間が1/4になった事例

検査書の作成や確認・転記作業などを、紙の書類で行っていた食品工場の事例です。電子化を導入することで、作業時間が1時間から15分間へと大幅に短縮されました。転記の際に発生しやすかった入力ミスの防止にもつながっています。

※参照元：カミナシ公式サイト「検査記録の電子化で管理者の負担を軽減！紙からの脱却に成功した事例を紹介」（https://blog.kaminashi.jp/digitization-of-inspection-records）

年間400時間の削減に繋げた事例

産業用装置の設計および製造を行っている企業の事例です。企業競争力の向上につなげることを目的に、電子化を導入。その結果、検査書の作成に割いていた作業時間が、年間で400時間も削減しました。

※参照元：カミナシ公式サイト「検査記録の電子化で管理者の負担を軽減！紙からの脱却に成功した事例を紹介」（https://blog.kaminashi.jp/digitization-of-inspection-records）