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自社で行なった文書/書類電子化の失敗例

自社でのスキャニングによる失敗例について紹介しています。

A社は環境対応や作業の効率化を図るため、文書の電子化に着手しましたが、導入前のルール作りや予想以上の初期コストがネックとなり、プロジェクトが進まない状態が続きました。いくつかの文書管理システムを検討したところ、どれも緻密な運用ルールを作成しなければならないことが判明。そこで各部門から人数を集め、プロジェクトチームを発足して対応しましたが、意見が対立して作業が停滞する事態に…。価格も予算を大幅に超えることがわかり、導入ができない状態のまま、今日に至っているそうです。

B社には契約書や見積もりなどによる大量の書類があり、それを探す手間や管理を軽減するために文書を電子化することにしたものの、電子化が社内で定着しませんでした。失敗の原因のひとつは、操作の煩雑さにあります。B社が行なっていた方法は、文書をスキャンした後、PCのある自席に戻ってファイル名をつけ直し、ファイルサーバーの決められたフォルダに保管するというもの。その動作がかなり面倒だという意見が多かったのです。

ファイル名をつけて保管する際、そのつけ方をルールで細かく定めていなかったのも原因のひとつ。そのため、数字やカタカナが半角・全角だったり、社名に「株式会社」をつける有無があったりとバラバラの状態に。検索がうまくヒットしないことも多く、次第に使われなくなりました。

顧客満足度ナンバーワンを目指していたC社。お客様の問い合わせなどはFAXでやりとりしていましたが、迅速な対応ができるようにと文書の電子化に着手しました。書類を顧客ごとに分けて管理し、業務改善を図ろうとしたのです。 それが奏功し、うまい具合に活用できていました。

しかし、拠点である会社側の環境が整っていなかったのが原因で、CADなどの特殊な拡張子のファイルは専用端末でしか閲覧できず、取り扱いが面倒という拠点側による声が絶えませんでした。また、電子化した文書を効率よく回覧する仕組みがなかったこともあり、相変わらずお客様とはFAXでのやりとりが続く状態。お客様対応のスピードは、結局上がりませんでした。データの管理はできていたのですが、利用する側にとって不便な仕組みであったため、業務改善には繋がらなかったのです。

いずれの会社もスキャニングこそできていますが、その後の対応に不備が多く見られました。業者に依頼する際、自社におけるアフターケアについてもアドバイスしてもらうと良いでしょう。

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文書/書類の電子化が失敗するケース

文書電子化で失敗するケースは、主に「画像作成での失敗」と「画像データ管理での失敗」に分けられます。

画像作成での失敗

画像作成では、スキャン画像が折れる・斜めになる・裏写りしている・文字が伸びるなどの失敗例が挙げられます。

スキャン画像が折れる

書類に折れがあるままスキャンしてしまうと、折れた部分の文字が読めなくなります。スキャンする前に書類を確認し、折れがある場合は直しておきましょう。

スキャン画像が斜めになる

スキャンした画像が斜めになってしまっている場合、原稿がきちんとセットされていない可能性があります。斜めになってしまうと文字が切れる場合もあるため、スキャン作業中に原稿が斜めになっていないかをチェック。スキャン後の画像も斜めになっていないか確認しておきましょう。

裏写りしており読みづらい

裏写りは原稿の紙質が薄い場合に起こりやすい失敗例です。裏写りによって文字が読みづらくなるケースもあるため、原稿の紙質が薄い場合は黒い台紙を下敷きにするなどしてスキャンしましょう。

穴あけパンチの跡が黒くなっている

パンチ穴のある原稿をスキャンした時、穴部分が黒くなってしまうことがあります。解消したい場合はスキャンの際に白い台紙を下敷きにすると良いでしょう。また、スキャナーによってはパンチ穴を消す機能が付いています。

文字が伸びている

スキャンした文字の一部に伸びがある場合、スキャン中に原稿を動かしてしまったことが考えられます。ただ、動かしていないのに伸び生じる場合は故障の可能性も。機器の点検をおすすめします。

ページの中央部に影ができてしまう

2ページを見開きでスキャンした際などに、ページ中央部に影ができることがあります。これは本の厚みによって中央部が浮いてしまうことが原因。1ページごとにスキャンするか、中央部を可能な限り押さえてスキャンする必要があります。

データ管理での失敗

画像データ管理では、ページが抜けている・ページの順番が狂っている・ファイル名が整理されておらず文書内容がわからなくなるなどの失敗例が挙げられます。

ページが抜けている・順番が狂っている

たくさんの文書をスキャンするときにはスキャン漏れが発生することもあります。スキャンの前にはスキャン対象の文書を数え、スキャンした画像の数と合っているかを確認しましょう。

また、スキャンをしたら100枚ごとを目安に順番のチェックを行い、正しく並べられているかを確認するのがおすすめです。

ファイル名が整理されておらず文書内容がわからない

たとえばスキャンの都度ファイル名を決めている場合は、後々ファイル名がバラバラになる可能性があります。電子化したい書類のスキャン後のファイル名を決定しておき、ファイル名を揃えるようにしておきましょう。

ポストイットを貼り付けていた文書がわからなくなる

スキャンをする前にポストイットがついている原稿もあるでしょう。ポストイットの内容もデータ化したい場合はスキャン範囲からはみ出さないようにします。はみ出てしまう場合は同原稿の余白部分に貼り付けてスキャンすると良いでしょう。

文書/書類電子化を成功させるには

文書を電子化するためにはコストがかかります。こちらではできる限り無駄を省いて、効率的に電子化する手順をご紹介します。

(1)不要文書/書類は廃棄しよう

まず初めに行うことは、オフィス内の文書をスリム化することです。会社に保管されている書類を整理して、不要な書類は廃棄しましょう。廃棄処分の対象になるものは次の通りです。

(2)電子化する文書/書類の選定基準

次に電子化するための文書を選定します。一般的に電子化して便利な文書は以下のようなものです。

これらのポイントの判断基準が偏らないよう、各部署の利用者からヒヤリングして総合的に選別していきましょう。具体的な文書では、報告書・契約書・申込書・図面・マニュアルなどがあたります。

(3)原本の状態を把握する

電子化する文書が決まったら、各文書の量・用紙のサイズ・文書のコンディション(製本・ホチキス留め・バインダー)などをまとめていきます。

文書/書類の量の調査

文書の量はスキャニングをするページ数に直結します。できるだけ正確に量を把握することで、スケジュールをプランニングしやすくなりますよ。

膨大な文書を1枚ずつ数えるわけにはいかないので、ファイルメーター(fm)で測定します。ファイルメーターは、文書量の単位のこと。一般的なコピー紙を1メートル積み上げた単位のことで「1fm=約10,000枚」にあたります。

フォルダやバインダーに入っている場合は、この数字の8掛けで計算します。

例:文書ファイルが10fm(10メートル)の場合

文書/書類の用紙サイズをチェック

電子化する文書の用紙サイズも調べます。例えばA3は約10,000枚、A4は約90,000枚などです。各サイズのおおよその比率で計算してみましょう。

保管されている状態を把握

文書が現在どのように保管されているのかを把握しておきましょう。例えばホチキス留め、製本、バインダーなのか、製本の場合はバラせるのかなどです。

さらに保管されている「タイトルor文書名」「日付」「見出し」などは、電子化したときのフォルダ名になることが多いので、きちんと把握しておきましょう。

(4)電子化の仕様を決める

原本の調査を終えたら、下記のポイントにならって電子化の仕様を決めていきます。

スキャニングのサイズ

元の文書と同じサイズ(A4、A3など)にするのか、使いやすいサイズに変更するのか、などを決めていきます。

解像度(200dpi、500dpiなど)

テキストなら300dpi程度でも大丈夫。図面や手書き文章は高解像度がおすすめ。解像度が高いほどファイルサイズが大きくなるので、文書に合う解像度を決めていきましょう。

カラーや濃淡

一般文書は白黒二値、カタログ類はカラーなどとスキャンの階調を決めていきます。カラーのほうがファイルサイズは大きくなります。契約書などスピーディーに閲覧したいものは白黒二値がおすすめです。

ファイル形式

PDF、TIFF、JPEGなど、スキャニングした電子化データをどのように保存するのか決定します。通常の場合、一般テキスト(グラフなど含む)は「PDF」、写真画像は「JPEG」、大きな画像や高解像度の場合は「TIFF」となります。

ファイル名を決める

社内で統一したルールに従ってファイル名を付けていきましょう。電子化した後に検索スピードや利便さを図るためにとても重要です。

属性データを作成する

データベースとして検索しやすくするために属性情報を登録します。例えば契約書のファイルであれば、「契約先」「契約日」などです。

OCR(Optical Character Reade)処理の要否を決定

OCRとは、スキャンした画像データを解析してテキストデータに変換すること。この変換処理にはOCRソフトが必要です。全文検索を行いたいときに活用できますが、ファイル名や、属性データからの検索を充実させるほうが迅速に検索しやすいでしょう。

用途に応じた様々なスキャナタイプ

スキャニングには用途に応じたスキャナを選ぶ必要があります。どんな文書をどのくらい電子化するのかによっても選ぶべきスキャナタイプが異なりますので注意しましょう。

(5)電子化作業を開始する

文書の調査や仕様の決定などの作業が終了したら、電子化作業を開始できます。

社内で人材を確保して行う場合と、専門業者に外注する場合とのコストの比較、メリットとデメリットなどを考慮して文書の電子化を成功させましょう。

自社による文書/書類電子化はリスクが高い?

上記のいずれの会社もスキャニングこそできていますが、その後の対応に不備が多く見られました。

会社に大量の資料がある場合は、スキャニングする時間と人件費を割くため、専門の業者に頼むのが一般的のようです。しかし、なかには自社でスキャニングを行なっている会社もあり、うまくいかず失敗することも。コスト削減や後の作業も楽になるため、専門の業者に頼んでみてはいかがでしょうか。

安心して任せられそうなのはどこ?
書類/文書の電子化サービス業者3選

プライバシーマークおよびISO9001認証を取得し、文書情報管理士が在籍している業者のうち、品質検査/セキュリティ管理が明確な3社をおすすめとしてピックアップしました。3社のスキャニングの品質管理体制・セキュリティ・サービス内容&価格を紹介します。

品質・スピード・セキュリティが◎
ジェイ・アイ・エム
  • 社員全員が文書情報管理士
  • 毎月最大100万枚の書類を電子化
公式HPを見る
原本も倉庫にて保管対応
雲紙舎
  • 各工程で専門スタッフを配置
  • 断裁スキャンが得意
公式HPを見る
コンサルから請負までワンストップ対応
双光エシックス
  • 品質検査スタッフが全数チェック
  • 白黒であれば1ページ9円(税不明)から対応可
公式HPを見る

【選出基準】
2023年4月14日時点、Google検索「スキャニングサービス」と調べ、表示された企業の上位30社を調査。
プライバシーマークおよびISO9001認証を取得し、文書情報管理士が在籍している業者のうち、
品質検査/セキュリティ管理が明確な3社をおすすめとしてピックアップ。
・プライバシーマークを取得
・ISO9001認証を取得
・文書情報管理士の在籍
・品質検査/セキュリティ管理が明確
【品質検査/セキュリティ管理が明確であると判断した要素】
下記の通り、公式HPで「品質管理/検査」「セキュリティ」について具体的に明記していた企業から選定しています。
◎ジェイ・アイ・エム:品質面では「工程管理システムを活用」「目視検査と画像検査ツールによる品質管理」「検査用プログラムを用いた品質検査」「品質管理部門の検査員による最終検査」など。セキュリティ面では「警備会社と連動した24時間365日稼動の入退室管理システム導入」「IC/IDカードで入退出管理」「社屋内各区画に監視用カメラ設置」「作業ログを監視」など。
◎雲紙舎:品質面では「作業開始前に専門のディレクターが工程を細かく策定」「各工程ごとに、専門スタッフ(スキャナー操作に習熟したオペレーター、検品や修正を担当するレタッチャー、校正スタッフ)を配置」など。セキュリティ面では「ネットワーク入り口にUTMを設置」「各パソコンへのセキュリティソフト」「ログ管理」「従業員への教育」「サイバーリスク保険の加入」など。
◎双光エシックス:品質面では「厳格な検査システムを導入」「品質検査スタッフが1枚ずつスキャンデータと原資料を突き合わせ、漏れ/重複の有無、画像の傾き/汚れをチェックする」など。セキュリティ面では「24時間セキュリティ監視の耐火書庫で厳重に保管する」など。

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