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文書/書類電子化の基礎知識

ここでは文書を電子化するにあたって知っておきたい基本的な知識についてまとめています。

電子化担当者のためのABC

このコンテンツは、企業の文書電子化を担当する方が知っておくべき基礎知識を集めたものです。企業が文書の電子化に着手した背景には、新しい法律の施行があります。

企業により緻密な文書管理を求めるこれらの法律が2000年代に入って次々に施行され、文書の電子化の流れが加速しました。しかし文書の電子化の現状は、当初想定していたほど普及していないようです。その理由として、文書の電子化担当者のためのわかりやすい資料が少ないことが挙げられます。「文書の電子化に関する一般常識」や「スキャンニング作業の詳細」など、他にはあまりまとめられていない内容をまとめたので、ご一読ください。

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文書・書類電子化とは

紙で保存されている文書をスキャンしてデジタルデータに変換することを「文書・書類電子化」と言います。電子化することでパソコンやスマホでの利用が可能になり、場所を問わず効率的に書類の確認や管理ができるのが大きな利点。働き方の多様化により、多くの企業でペーパーレス化・紙文書の電子化が進んでいます。

電子文書とは

電子文書とは、はじめから電子データとして作成された文書のことを指します。例えば、Wordやメモアプリで作成したファイルなど。

紙媒体をスキャンして取り込んだ画像データと違って文字コードを保有しているのが特徴で、文章を選択してコピーや修正が可能です。扱いやすい性質上、重要書類を電子文書で保存しておく際には、削除や変更ができないようにしたり、操作の履歴が残るようにしたりする必要があります。

電子化文書とは

電子文書に対し、もともと紙で作成された文書をスキャンして電子化したものを電子化文書と言います。画像データとして読み込まれるため、文書内の文字を選択することはできません。

また重要書類を電子化文書にして扱う際には、「見読性」の担保に注意が必要です。スキャナーの精度が悪く解像度や色調が適切でないと、書類の内容が確認できず意味をなさなくなってしまう可能性があります。

デジタル化と電子化の違い

目的

電子化は、紙媒体の情報をデジタルデータに変換する「処理そのもの」を指します。一方で、デジタル化とは電子化した情報を活用して「業務効率化やコスト削減を図る」ことです。

つまり、電子化は「デジタル化」という大きな概念の一部と考えてよいでしょう。

交換対象

電子化とは「紙媒体」を電子媒体、つまり「電子ファイル」として使用できる状態になるように変換することです。一方、デジタル化とは「アナログデータ」を「電子データ」として活用ができるように変換することを指します。

段階(プロセス)

電子化の捉え方として、デジタル化を進めていく際の「最初の一歩」とすると理解しやすくなるでしょう。例えば、ファックス文書などの紙媒体は電子化することで情報管理の形態が変わり、活用の幅も広がります。

紙で受信していたファックスも、電子化のおかげでメールへの直接送信が可能になるのです。これにより、デジタル化の導入がスムーズに進みます。

書類電子化のメリット

多くの企業で採用されている書類電子化の利点は、大きく以下の4点です。

業務効率化

電子化することで検索が可能になり、書類を探す手間を削減できます。書類の共有もパソコン操作で相手に送信するのみなので、デスクから動く必要がありません。書類を保管する必要がなければファイリングにかかる時間も削減できます。仕事以外の探す・送る・保管するといった手間がなくなり、業務に集中できるのが電子化の大きな利点です。

コスト削減

書類の印刷には紙代やインク代がかかります。コピーして複数人に共有したり、大量の資料を保管したりする際には、その分コストが膨らみます。しかし、書類を電子化すれば紙代やインク代は0円。インターネット環境さえあればアクセスできるため、遠隔地にいる人に書類を共有する場合の郵送費もかかりません。

セキュリティの強化

書類を保存するパソコンのセキュリティを高めることで、情報漏洩のリスクを抑えられます。アクセス制限をつければ、特定の人たちだけが書類を確認できるようにすることも容易でしょう。

データのバックアップをクラウド上や外部のデータセンターに保存しておくことで、火災の際のデータ消失リスクも防げます。

環境面への配慮

文書電子化によるペーパーレス化は、持続可能な開発目標「SDGs」を叶える動きとしても推進されています。無駄に紙を使わないことで限りある資源を保護でき、紙書類の廃棄量が減ることで焼却時に出るCO2の削減に。環境にやさしい取組みをしている企業であるアピールにもなります。

電子化するデメリット

電子化は多くの企業にとって効率化とセキュリティ強化の手段となり得ますが、導入する際には様々なデメリットも伴います。ここでは、電子化の主なデメリットを詳しく解説します。

システム導入などのコスト

電子化を実施するには、初期の投資が必要となります。スキャナーやファイルサーバーなどの機器導入から、OCR(光学文字認識)ソフトウェアやクラウドサービスの契約に至るまで、さまざまなコストが発生します。これらの費用対効果を慎重に評価し、長期的な視点でのコスト削減や業務効率化を見極めることが重要です。

オペレーションの変化

電子化により、従来の業務プロセスが大きく変化します。この変化に適応するためには、従業員の理解と協力が不可欠です。新しいシステムやプロセスに対する抵抗感を乗り越えるためにも、電子化の意義や目標を明確に伝え、適切なトレーニングを提供する必要があります。

機器の障害などのリスク

電子化されたデータは、ファイルサーバーやクラウドストレージに依存します。しかし、これらのシステムには障害が発生するリスクが常に存在し、業務の中断やデータの損失につながる可能性があります。このリスクを最小限に抑えるためには、定期的なバックアップや障害発生時の対策計画が必須です。

新たなセキュリティ対策が必要

電子化によって物理的な紙の管理から解放される一方で、デジタルデータのセキュリティに新たな注意が必要になります。ウィルス対策、データの暗号化、アクセス管理など、データ保護のための対策を講じる必要があります。さらに、データ量の増加に伴い、追加のストレージが必要になることも考慮する必要があります。

電子化完了までの時間とファイル整理の手間

電子化プロジェクトは、時間と労力を要する作業です。大量の紙媒体をスキャンし、デジタルファイルを適切に命名・整理する過程は膨大な時間を消費します。事前にファイル命名規則を設定すること、作業を段階的に進める計画を立てることが、効率的な電子化を実現する鍵となります。

電子化は多くのメリットを提供しますが、これらのデメリットを適切に管理し、対処することで、その利益を最大限に引き出すことができます。

書類を電子化するためのステップ

書類の電子化は、業務効率化や情報管理の最適化を目指す企業にとって重要な取り組みです。しかし、計画的かつ効率的に進めることが成功の鍵となります。以下は、書類を電子化するための具体的なステップを解説します。

1. 電子化の目的・目標を決める

電子化プロジェクトを開始する前に、何を目的に、どのような成果を目指すのかを明確にします。業務効率化、情報のアクセス性向上、またはコスト削減か。目標を設定し、関係者全員で共有することが大切です。

2. 電子化する書類を特定する

全ての書類を一律に電子化するのは非効率的です。必要な書類のみを選別し、電子化すべき書類を特定します。この過程では、コスト削減や業務効率化の見込み、電子化のしやすさなどを考慮すると良いでしょう。

3. 電子化したデータの保管、運用ルールを決める

電子化したデータの管理方法を決定します。これには、保管場所やファイル名のルール、アクセス権限の設定などが含まれます。また、法的要件に基づいた保管期間も考慮する必要があります。

4. 電子化する方法を決める

電子化は自社で行うか、代行サービスに依頼するかを決定します。また、スキャナーの使用やOCRソフトウェアの導入など、具体的な電子化手段を選択します。コストと効果を慎重に比較し、最適な方法を選ぶことが重要です。

5. 電子化を行なう

実際に書類のスキャン作業を行い、電子化を進めます。この過程では、スキャンの品質やデータの整理が重要となります。また、オペレーションの変更に伴い、従業員の研修やマニュアルの整備が必要になる場合があります。

文書/書類を電子化するときの注意点

文書を電子化すれば、資料の検索性アップによって、業務の効率化が図れます。ですが、そのメリットが享受できるのは、文書電子化が成功した場合のみです。
電子化を成功させるためには注意しなければならないポイントがあり、使用するデバイスを確認してデータ形式を選択すること、データのセキュリティ設定を行うこと、検索用の単語に表記ゆれがないように気を付けることなどが挙げられます。

また、電子化する際には、事前に「どの文書を電子化するのか」を特定し、かつ「すべての文書に保存期間を設定する」等の作業も大切です。加えて、電子化を行なった後の文書改ざんリスクを考慮すれば、電子署名やタイムスタンプの設定も必要となってくるでしょう。

なお、これまで紙媒体で情報を管理していた会社にとっては、文書電子化の作業の中で、さまざまなトラブルを経験するはずです。これらトラブルが原因で業務が停止しないよう、起こりうる代表的なトラブルを事前に知っておく必要もあります。各トラブルに対する速やかな対処法も知っておくべきでしょう。

e-文書法とは何か

従来は文書として認められなかった電子化文書。しかし2005年以降はe-文書法が施行されたことにより、法的に認められる電子化文書の範囲が大幅に拡大しました。ここでは、対象となる書類や電子化できない一部の書類、そして紙文書から電子化文書への移行を国が推進する狙いについてまとめています。

電子化の流れ

スキャニングサービスの流れをご紹介します。書類の電子化には事前の打ち合わせや下準備が必要。サービスの基本を知っておくことでスキャニングサービスを上手に利用できます。業者によっては不要になった書類を処分してくれるオプションのサービスもありますよ。

電子化を助けるAI-OCRとは

OCRとは光学文字認識のことを意味しており、手書きや印刷された文字のある紙文書をスキャナーで読み取ってデジタル化する技術です。AI-OCRではOCR技術にAI技術をかけ合わせており、ディープラーニング機能によって高精度な文字認識や読取位置調整が可能。AIが学習することで文字認識率を向上させてくれます。

電子文書/書類管理の基本

電子化された文書の管理方法を事前に知っておくことで、そのメリットを最大限に活かすことができます。見読性・完全性・機密性・検索性という4つの特性を確認しておき、電子化された文書を上手に運用しましょう。「文書情報管理士」の力を借りるのもおすすめです。

ペーパーレス化の動向

グローバル社会において日本の競争力を高めることを目的に、業務効率化やセキュリティの強化を目指して2005年にe-文書法が施工されましたが、10年以上経った今でもオフィス内に紙文書が溢れているという企業も多いのではないでしょうか?ここではペーパーレス化に関する状況や進まない理由を解説します。

働き方改革とペーパーレス

働き方改革が進められている現代において、業務上のムダをどれだけカットできるかが生産力や社員の働きやすさを決めます。ビジネスにおいて文書は欠かせないアイテムですが、紙に印刷・保存する作業だけで多くの時間を費やすもの。ここではペーパーレス化の必要性や紙文書を電子化することで起こる変化について紹介します。

自治体や行政などの公文書電子化

政府がすでに発表している内容では、2026年を目処に公文書の管理は全面的に電子化する目標となっています。2026年に新しい国立公文書館が開館するため、その時期を目標として、公文書の作成~移管まで全て電子化するとのことです。

ISOを取得したら文書/書類電子化は必要?

文書管理システムが、国際標準ISOの認証取得や更新に活用されているその理由は「バージョンを管理する」「改ざんを防止する」「検索や参照が頻繁に発生する」「効率的にフローを管理する」などの目的があるためです。これまでの紙のファイル管理では限界があると言われています。ここでは、ISO文書の文書管理システムについて解説していきます。

契約書の電子化について解説

契約書の電子化とは、すでに取り交わし済みの紙の契約書をスキャンすることで電子データ化した上で管理や保管をすることです。また、契約書含めて企業内で取り扱う文書は、法律により保存が義務付けられているものがいつくかあります。義務が発生する書類の電子化についての法律をe-文書法と呼びます。

家庭の文書/書類を電子化する方法

放って知らないうちに増え続ける家庭での紙。電子化の前に、基本は用途が終わった紙から捨てる習慣をつけることです。ただ、本や書類など、紙媒体の文書を電子化/データ化することによって、元々保存していた場所やスペースを削減できるメリットや、 多くの人が同時に同じ文書を見るといった使い方もできるようになったりと、便利な使い方も可能になります。

点検表の電子化について

点検表には点検箇所の統一化や安全性の維持、トラブル・故障の予知・保全といった役割があります。一方でアナログでの運用だと記入漏れやミスに気づきにくく、適切な運用ができていないことも。点検表を電子化することで入力漏れやミスがあれば赤字で表示されるなどの工夫ができ、運用や管理がしやすくなるメリットがあります。

スキャン代行・スキャンサービスとは?

紙媒体の電子化に必要なスキャンを依頼できるスキャン代行・スキャンサービス。データを取り込むスキャン作業を任せられるので、業務負担が軽減できます。ただし、業者によって対応範囲が異なるため、選ぶ際のポイントも押さえておきましょう。

カタログ電子化の費用相場は?

カタログ電子化の代行サービスの費用は、ページ単価で算出されるのが基本です。カタログの内容によっても料金が変動するため、予算を考慮しながら依頼先を検討する必要があります。今後自社で電子カタログを制作していきたい場合は、デジタルカタログ作成ツールを利用するのもおすすめです。

安心して任せられそうなのはどこ?
書類/文書の電子化サービス業者3選

プライバシーマークおよびISO9001認証を取得し、文書情報管理士が在籍している業者のうち、品質検査/セキュリティ管理が明確な3社をおすすめとしてピックアップしました。3社のスキャニングの品質管理体制・セキュリティ・サービス内容&価格を紹介します。

品質・スピード・セキュリティが◎
ジェイ・アイ・エム
  • 社員全員が文書情報管理士
  • 毎月最大100万枚の書類を電子化
公式HPを見る
原本も倉庫にて保管対応
雲紙舎
  • 各工程で専門スタッフを配置
  • 断裁スキャンが得意
公式HPを見る
コンサルから請負までワンストップ対応
双光エシックス
  • 品質検査スタッフが全数チェック
  • 白黒であれば1ページ9円(税不明)から対応可
公式HPを見る

【選出基準】
2023年4月14日時点、Google検索「スキャニングサービス」と調べ、表示された企業の上位30社を調査。
プライバシーマークおよびISO9001認証を取得し、文書情報管理士が在籍している業者のうち、
品質検査/セキュリティ管理が明確な3社をおすすめとしてピックアップ。
・プライバシーマークを取得
・ISO9001認証を取得
・文書情報管理士の在籍
・品質検査/セキュリティ管理が明確
【品質検査/セキュリティ管理が明確であると判断した要素】
下記の通り、公式HPで「品質管理/検査」「セキュリティ」について具体的に明記していた企業から選定しています。
◎ジェイ・アイ・エム:品質面では「工程管理システムを活用」「目視検査と画像検査ツールによる品質管理」「検査用プログラムを用いた品質検査」「品質管理部門の検査員による最終検査」など。セキュリティ面では「警備会社と連動した24時間365日稼動の入退室管理システム導入」「IC/IDカードで入退出管理」「社屋内各区画に監視用カメラ設置」「作業ログを監視」など。
◎雲紙舎:品質面では「作業開始前に専門のディレクターが工程を細かく策定」「各工程ごとに、専門スタッフ(スキャナー操作に習熟したオペレーター、検品や修正を担当するレタッチャー、校正スタッフ)を配置」など。セキュリティ面では「ネットワーク入り口にUTMを設置」「各パソコンへのセキュリティソフト」「ログ管理」「従業員への教育」「サイバーリスク保険の加入」など。
◎双光エシックス:品質面では「厳格な検査システムを導入」「品質検査スタッフが1枚ずつスキャンデータと原資料を突き合わせ、漏れ/重複の有無、画像の傾き/汚れをチェックする」など。セキュリティ面では「24時間セキュリティ監視の耐火書庫で厳重に保管する」など。

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