電子文書管理の基本
文書を電子化した後、どんな管理体制を行なっていくべきかを解説します。
電子文書の特徴を知っていますか?
スキャニングサービスを利用する前に、電子化された文書を維持管理するための基本を勉強しておきませんか?
電子文書の特徴を知らずして、ただやみくもにデジタル化しても、そのメリットを十分に享受することはできません。
一般に文書を電子化した後は、見読性、完全性、機密性、検索性という4つの特性を踏まえて運用することが大切とされています。
見読性
電子化された文書は、それ自体を肉眼で確認することはできません。そのため、行政からの調査などがあった際に、すみやかにディスプレイ表示や紙出力できることが要求されます。
完全性
電子データを二次利用せず、完全に保存するための要素です。文書の作成者・作成時期、紙文書の内容が電子化された文書と同一であること(真正性)が確認できる必要があります。その確認には、電子署名またはタイムスタンプが必要で、検証する仕組みも不可欠です。
完全性を満たす要件としては、電子化された文書に記録された事項が滅失・棄損を防止する措置、改ざんや消去の有無または内容を確認・抑止する措置を講じている必要があります。
機密性
個人情報や機密情報が盗み見られないよう、権限のない者からのアクセスを防ぐ手段が必要になります。たとえば、サーバに保管している電子文書については、IDやパスワードなどを設定することで、必要のない人はアクセスできないようにコントロールします。
また、データを保存した電子記録媒体を誰かが勝手に持ち出さないよう、保管室の入退室管理や施錠管理などを徹底します。
検索性
大量の電子文書を活用するためのキーになるのが、ファイリングや検索のシステムです。テーマ別に分類、整理されたフォルダから、目当ての文書を探せるディレクトリ(階層)型検索、付与されたキーワードで、目当ての文書を探せる全文検索など、さまざまなツールを組み込んで真に価値ある文書管理システムの構築に取り組みましょう。
文書管理の有資格者
スキャニングサービスを提供している会社には、企業の文書管理に精通した「文書情報管理士」によるコンサルティングを行なっている場合もあります。そうしたプロフェッショナルのアドバイスを聞いてみることも、検討の価値があります。